構造合理性のもたらす恩恵

不合理な構成の構造材は、力を受けると弱いところから損傷していきます。例えば接合する部材に素直に力が働いているうちは、天井などに使う鉄材は強く、しなやかにその力に耐えて機能性や安全性を守ってくれます。ところが一旦、その構成に偏心と呼ばれる“不合理性”が介在すると、水平にかかる力が曲げようとする力に変わってしまったりして、複雑な挙動となり、その部材を壊そうとしていきます。耐えきれなくなると、その材は変形したり破断してしまい、天井全体に致命的な損傷が生じてしまうことがあります。

50年以上前に国内で普及を始めたLGS(Light Gauge Steel)は、そもそも耐震性を発揮するためのデザインはされていません。それまで主流だった木製下地などの工法に代わる、大量生産が可能で施工性を向上するための工法だったのです。阪神淡路大震災(1993年)や芸予地震(2001年)、十勝沖地震(2003年)、宮城県沖地震(2005年)、東日本大震災(2011年)、鳥取中部地震(2016年)、大阪北部地震(2018年)、熊本地震(2019年)、など、天井等非構造材に甚大な被害をもたらした地震を受け、専門メーカー各社はそれまで耐震化技術を適用できていなかった下地材(JIS A6517材と呼ばれています)をこぞって“耐震化”しました。ブレースを付けたり、クリップやハンガーを補強して“耐震天井”として販売したのです。ところが、どのメーカーの製品も天井の下地材を焚き火やぐらのように組んで構成する方法から脱却できていません。偏心の多い非常に不合理な下地構成のため、地震時に各部材の接合部に、複雑で制御しがたい大きな力を受ける工法となっているのです。そのため、その力に耐えられるように、補強に次ぐ補強をさまざまに付加した工法を編み出しました。その結果、組み立てるのに大変な手間がかかり、また組み立て方を少しでも間違えたりばらつきが出ると、途端に不安定になって壊れてしまう工法がとても多く出回っているのです。

染野製作所では、下地自体の構成を刷新し、極力偏心を排除し、想像を超えて組立てやすく、施工の手によるばらつきを最大限抑え込んだ、全く新たな天井下地工法を提案します。この工法はすでに中部地方で大手自動車産業施設等を中心に普及が広がっており、その確かな性能と圧倒的な施工性で多くの市場からのご支持を頂いております。

 

当工法は、特定天井ではない一般の耐震天井としても、特段のコストアップを伴わず、H25年国交省告示第771号に基づいて計算に乗せることが可能です。その実験結果が示す通り、JIS材のLGSでは実現できない、高い剛性と耐力を発揮することができる工法です。

「次世代の安全安心な天井下地、SOMENO ES天井シリーズ SSS」

 

是非お試しください。